投稿

音数律、言葉の力と現代性 ー 中原中也、「新短歌に就いて」、昭和11年

 音数律によって歌や詩を作ると現代的が表現しにくいので伝統性と切れてしまった、という見解を読んだことがありますが、中原中也もこの短い小論で、「この懐かしい遺風は今後とも決して忘られはしないであらうけれども、」「短歌に発展の余地が残されてゐない」、「短歌を作りたいといふことが、今後とも人々に全的な希望、全的な仕事として考へられることはあり得ないやうに思はれる。」と述べてます。  「生活の余暇の芸術ではあり得ても、芸術生活となることは出来ない。」「つまり大人の芸術とはなることは出来ない。」「詩歌は理念を持つといふだけでは十分でない、その理念を蕩揺させてみるべきだといふこと、謂はば理念の余剰価値に迄到達すべきだ」という見解は作家の力よりも言葉の力が大きく出来を左右する詩文、韻文に於いて、重要な指摘だと思いました。 中原中也、「新短歌に就いて」、昭和11 初出、「短歌研究」、 1936(昭和11)年12月号 引用は青空文庫より

Freestyle dance house 5 (2015-02-24)

イメージ

アメリカ幻想小説、文学

『アメリカン・マスターピース 古典篇』(柴田元幸翻訳叢書)、スイッチ・パブリッシング、2013年 (収録作品) 「ウェイクフィールド」、ナサニエル・ホーソーン、 「モルグ街の殺人」、エドガー・アラン・ポー、 「書写人バートルビー」、ハーマン・メルヴィル、 「詩」、エミリー・ディキンソン、 「ジム・スマイリーと彼の跳び蛙」、マーク・トウェイン、 「本物」、ヘンリー・ジェームズ、 「賢者の贈り物」、O・ヘンリー、 「火を熾す」、ジャック・ロンドン、 『どこにもない国 現代アメリカ幻想小説集』、柴田元幸編訳、松柏社、2006年6月 (収録作品) 「地下堂の査察」、エリック・マコーマック、"Inspecting the Vaults", Eric McCormack, 1987 「Do you love me?」、ピーター・ケアリー、"Do you love me?", PeterCarey, 1994 「どこへ行くの、どこ行ってたの?」、ジョイス・キャロル・オーツ、"Where Are You Going, Where Have You Been?", Joyce Carol Oates, 1993 「失われた物語たちの墓」、ウィリアム・T.ヴォルマン、"The Grave of Lost Stories", William T. Vollmann, 1991 「見えないショッピング・モール」、ケン・カルファス、"Invisible Malls", Ken Kalfus, 1998 「魔法」、レベッカ・ブラウン、"An Enchantment", Rebecca Brown",1996 「雪人間」、スティーヴン・ミルハウザー、"Snowmen", Steven Millhauser, 1981, 1982, 1983, 1984, 1985 「下層土」、ニコルソン・ベイカー、"Subsoil, Nicholson" Baker,1994 「ザ・ホルトラク」、ケリー・リンク、"The Hortlak", Kelly Link, 2...

ブラジル音楽草、ミルトン・ナシメント作品目録、クルビ・ダ・エスキーナ・2 (Clube Da Esquina 2)

ブラジル音楽草  >  ミルトン・ナシメント作品目録 クルビ・ダ・エスキーナ・2 (Clube Da Esquina 2) update: 2002,8,31(sat) クルビ・ダ・エスキーナ・2 - 1978 (EMI 664 791606 2) 1988 Brazil (EMI 0777 7 91606 2 4) 1995 Brazil disk 1 CREDO (Milton Nascimento - Fernando Brant) NASCENTE (Flavio Venturini - Murilo Antunes) RUAS DA CIDADE (Lo Borges - Marcio Borges) PAIXAO E FE (Tavinho Moura - Fernando Brant) CASAMENTO DE NEGROS (Violeta Parra) OLHO D'AGUA (Paulo Jobim - Ronaldo Bastos) CANOA,CANOA (Nelson Angelo - Fernando Brant) O QUE FOI FEITO DEVERA(DE VERA) (Milton Nascimento - Fernando Brant - Marcio Borges) エリス・レジーナ(Elis Regina)との共演。 MISTERIOS (Joyce - M.Maestro) PAO E AGUA (Roger - Lo Borges - Marcio Borges) E DAI(A Queda) (Milton Nascimento - Ruy Guerra) ちょっと不思議な曲である。"E DAI?"と叫ぶ歌声が不思議なのである。大変印象に残る。 "E DAI?"は「で、それから?」の意。 disk 2 CANCAO AMIGA ( Milton Nascimento - 詩:Carlos Drummond de Andrade) CANCION POR LA UNIDAD LATINOAAMERICANA (Pablo Milanes - Adapt. :Chico Buarque) シコ・ブアルキとの共演。...

ブラジル音楽草、序

ブラジル音楽草  >序  ブラジル音楽草 序  update: 1998,10,6(tue) 序 MPB MPBの評価 MPB  世界には美しい音楽が沢山あり、また日々作られています。ブラジル音楽もその一つであり驚くべき美しい曲が沢山あります。一般にラテンアメリカの音楽といえばタンゴ、サンバ、ボサノバ、フォルクローレなどが知られ、どれも楽しい曲が多いですが、近年のブラジルで最も成長したジャンルにMPBがあります。優れた曲が多く、時代を代表する音楽が生まれ、優れたアーチストのCDも多く流通するようになりました。それゆえ、今後も多くの人を楽しませる底堅いジャンルになると思います。 MPBの評価  概括的で重要な批評は「ブラジリアン・ミュージック」(*2)の中原仁氏の評によってなされています。"サウダーヂ(なつかしさ、やるせない思い出、郷愁)"と"ブラジリダージ(ブラジル気質、ブラジル精神)"をブラジル音楽の根底に見ており、非常に納得のいく見方です。特に"サウダーヂ"は"遠く離れた祖国、家族、友人、恋人たちに対して寄せる思い、痛切な思慕の感情"であり、MPBはサウダーヂが映し出された音楽であると言ってよいでしょう。 その他 *注釈 *1,MPB(エミペーベー) ムジカ・ポプラール・ブラジレイラの略でブラジル・ポピュラー音楽の意味。 *2,「ブラジリアン・ミュージック」1995/11/5 音楽之友社刊、中原仁編 「INTRODUCTIONブラジリアン・ミュージックの背景/ブラジルとブラジル人」18-21頁参照。 ブラジル音楽草  >序

ブラジル音楽草、付記

イメージ
ブラジル音楽草  >付記(参考文献等) ブラジル音楽草 付記  update: 2004/1/17(sat)   推奨オムニバス盤    ラジオ    書籍    雑誌    チラシ(Free Paper)    FAQ    店    MPB以外の音楽評論 推奨オムニバス盤  オムニバス盤やベスト盤は大変便利ですが、MPBが好きになれば結局オリジナル盤が揃ってしまう場合が多いでしょう。しかし、全てのアーチストの全作品を買っていてはお金無くなりますので、オムニバス盤やラジオ(J-WAVE"JAL SAUDE! SAUDADE"、NHK-FMでの特集など)でいろいろ聴いてみるのもよいと思います。 「ベレーザ・トロピカル」 (brazil classics 1) 東芝EMI CP32-5848、デヴィッド・バーン編集 デヴィッド・バーンはブラジル音楽に傾倒しており、彼の好きな曲を集めたレコードです。主要なアーチストの美しい曲が収録されおり、最初に聴くにはよい一枚です。 「ベレーザ・トロピカル 2」 wea(japan) WPCR-2228、1998/12/23、デヴィッド・バーン編集 上記の続編にブラジル・クラシックス2、3がありますが、これはジャンル別のものです。1998年時点のブラジル・ポピュラー音楽を集めたもので、MPBの次世代音楽と言えます。 CDの邦盤(日本盤)について  邦盤のよいところはやはり解説と訳詞が付いていることです。以前は輸入盤の方が随分安かったので邦盤を買わないことが多かったのですが、近年は円安(乱高下していますが価格には即反映されない/1998,10)で輸入盤も高くなってしまいました。ジャズやロックの邦盤の解説は読まなくてよいものが非常に多いですが、ブラジル関係の邦盤の解説はよいものが多いです。クレジットについても海外のものは不正確や意図的削除(権利関係のトラブル)が見受けられますが、邦盤にその注記がある場合があります。 ラジオ JAL SAUDE! SAUDADE...(サウーヂ!サウダーヂ・・・) J-WAVE(FM 81.3MHz)日曜日の17:30-18:30 J-WAVE Website: TIME TAB...

ブラジル音楽草、ブラジル18のリズム・バリエーション

ブラジル音楽草  >ブラジル研究 > ブラジル18のリズム・バリエーション update: 1998,8,4(tue) 概要  マルコス・スザーノがまとめた18のリズムで、ビデオ「マルコス・スザーノ パンデイロ・コンプリート・レッスン」で解説している事柄を書き留めたものです。記録の意味で字幕を殆ど写しました。また、楽器の教則ビデオなので、パンデイロを念頭に置いた書き方になっています。ビデオではこれらのリズムをゆっくりしたテンポと通常のテンポの両方で演奏してます。 パンデイロ・コンプリート・レッスン マルコス・スザーノ(Marcos Suzano),「マルコス・スザーノ パンデイロ・コンプリート・レッスン」,  Marcos Suzano, Pandeiro Complete Lesson,  フジテレビ映像企画部発売 / Latina販売 LAV1001, 1998/3/30, \7000, 約70分 18のリズム・バリエーション 1,Baiaozinho/Congada バイアォンジーニョ/コンガーダ  「まずは、バイアォンにも、ミナスのコンガーダにも似ているのでバイアォンジーニョ・コンガーダ呼んでいる、どこかブラジルの田舎の匂いがするリズムです。」 2,Coco ココ  「ブラジル北東部の沿岸地域特有のリズム、ココをやってみましょう。ココを歌いながらパンデイロを叩く人をインボラデイロと呼ぶんですよ。」 3,Ciranda シランダ  「シランダです。これはペルナンブーコ州イタマラカー島生まれの沿岸地方のリズムで、アラブ音楽つまり2世紀前にこの地に移住した、モール人文化の影響を強く受けています。」 4,Maracatu マラカトゥ  「マラカトゥです。これもペルナンブーコ州主にレシーフェからブラジル中に広かったリズムで、アラブの影響を受けています。」 5,Xaxado シャシャード  「シャシャードをやってみます。実はこのリズムで僕はどちらかといえばシャシャードの踊りつまり身体の動きを表現します。」 6,CONGO コンゴ  「コンゴです。これはサンバの原型の一つであり、またカポエイラではマクレレーと呼ばれてます。アフリカからもたらされたコンゴが他のリズムを融...